愛知県の無形文化財に指定された河本礫亭の釉下彩花瓶を出品致します。その経歴・実績・技術力に比べて河本ほど過小評価されている陶芸家はいないのではないかと思います。本作は、四種類の花を釉下彩で緻密に描き分けた傑作ですが、これを見ただけでもその技量の高さが伺いしれます。本作は、高さ23cm、幅24cmですが、その寸法以上の雄大さを感じさせるのは、その技術力があればこそでしょう。 本品には、来歴書と共箱が付きます。 以下は、河本の略歴です。 明治27年　瀬戸市に生まれる。 大正03年　陶磁器品評会で最高賞優等賞を受賞。 　　　　　　以来、受賞10数回。 大正10年　平和博覧会で金賞受賞 大正11年　商工省工芸美術展覧会入選 　　　　　　以来、入賞6回 大正13年　久邇宮良子様(良子女王)ご調度品製作の拝命 昭和07年　パリ万国博覧会で金賞受賞 　　　　　　以来、海外博覧会での受賞10数回 昭和08年　司法省嘱託、瀬戸少年院窯業科教授 昭和17年　芸術保存指定 昭和24年　日本政府依頼によりトルーマン米国大統領 　　　　　　贈呈用の大飾り壺の制作委嘱 昭和34年　皇太子殿下御成婚祝典用酒盃の制作拝命 昭和35年　藍綬褒賞受賞 昭和36年　勲五等双光旭日章叙勲 昭和47年　愛知県無形文化財指定 昭和50年　逝去